今回は、私が衝撃を受けた配当太郎氏の初出版書籍、「お金がお金を生み続けるすごい仕組み 年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資」について解説します。

私の配当株投資スタイルに影響を与えた本です!
配当太郎氏は、名前の通り配当を重視した投資スタイルを持つ個人投資家で、X(旧 Twitter)でも人気を博しており、そのフォロワーは20万人を超えています(2025年1月現在)。
そんな著者のノウハウが惜しげもなく紹介された本書は、株式投資の「最初の一歩」としてふさわしい一冊になっています。どの株を購入すればよいか迷っている人、2024年から始まった新NISAに興味を持っている人などにおすすめしたい内容です。
この書籍「お金がお金を生み続けるすごい仕組み 年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資」をベースにして、この記事では以下の2点について解説します。
- これから配当株投資をしたい人にこの本を読んで欲しい理由
- 「年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資」のおすすめポイント3選
投資初心者にとって、個別株への投資は投資信託以上に抵抗を感じると思います。
何を基準に株を選べばいいの?買った株が値下がりしたらどうすればいいの?そもそもどうやって買えばいいの?など、
不安に思うことがたくさんあるはずです。
本書はその一つひとつに、明快な指針を示しながら、配当金というかたちで不労所得を得ることのできる「配当株」の魅力について存分に語っている良書です!
私自身、今まで配当株投資は行なっていましたが、その指針がガラリと変わった本ですので、配当株投資をこれから始めたい人や、自分の中で投資スタイルが確立されていない人は一読する価値アリな本だと思います!
これから配当株投資をしたい人にこの本を読んで欲しい理由
結論からお伝えすると、皆さんにこの本を読んでほしい理由は「増配銘柄の魅力を知って欲しいから」です。
本書の著者配当太郎氏は、「配当株投資=高配当株を買うという意識を捨てよ」と著書内で言及しています。
よく「配当利回りランキング」といった記事が世には溢れていますが、あれは罠銘柄ばかりなので投資先としておすすめできません。
私自身、この本を読む前は「配当利回りランキング」から銘柄を選定していた時期もあったので、この本を読んでいなかったら今頃はまだ自分の中で配当株投資スタイルが確立されていなかったと思います。



自分の投資スタイル確立は長期投資をする上で超重要です。
私は「増配の魅力」を知ってから、高配当銘柄ではなく、増配銘柄に投資していくことを決めました。
増配の魅力としては、下記が挙げられます。
- 追加投資なしでも配当が増え続ける
- インカムゲインのみだけではなくキャピタルゲインも狙える
それぞれ解説していきます。
追加投資なしでも配当が増え続ける
例えば増配株の一例として、8001 伊藤忠商事の配当金推移と株価チャート推移を見てみます。
伊藤忠商事の年間配当金推移(2013年-2025年)
出典:マネックス証券



綺麗な右肩上がりで配当金が増えているね。
例えば2023年から2024年の配当金を見てみると、
2023年:140円
2024年:160円(前年比+20円)
2024年では前年比で約14%も配当金が増えています。
これは、伊藤忠商事の株を持っているだけで、追加投資せずとも約14%配当金が増えていることを示しています。
これだけだと凄さが伝わらないかもしれないので、次に、この凄さを解説します。
伊藤忠商事100株で増配の凄さをシミュレーションしてみる
仮に2023年に伊藤忠商事株を100株持っていたとします。
その場合、2023年, 2024年に支払われた配当金は下記の様になります。
2023年:14,000円
2024年:16,000円(前年比+2,000円)
その差額は16,000円-14,000円=2,000円となります。
では、この増えた分の配当金2000円分を、伊藤忠商事株の追加購入によって手にいれる場合を考えてみます。
2025年2月現在の伊藤忠商事の配当利回りは2.23%なので、わかりやすく2.00%で計算してみます。
2000円 × (100% ÷ 2.00%) = 100,000円
上記からわかることは、増配分の配当金2000円は、10万円分の追加投資をしてやっと手にいれることができる金額ということになります。
つまり、2,000円の増配には資産10万円分の価値があるのです。
それが、増配銘柄である伊藤忠商事の株を保有しているだけでゲットできてしまいます。



増配分の配当金を追加投資で手にいれる場合を考えると、増配の凄さが際立つね!
インカムゲイン(配当金)のみだけではなくキャピタルゲイン(売却益)も狙える
次に伊藤忠商事の株価チャートを見てみましょう。
伊藤忠商事の株価チャート推移(2015年-2025年)
出典:マネックス証券



株価も右肩上がりで上がっているね!
このように、連続で増配をしている企業は、結果的に株価も上がっていることがよくあります。
そのため、インカムゲイン(配当金)のみならず、キャピタルゲイン(売却益)も同時に狙えます。
※Kaki’s投資ブログの配当株投資スタイルは売却することを前提としていませんが、株価が上がっていくのは嬉しいものです
しかし、ここで重要なのが配当金の源泉である当期純利益もしっかり増えているか確認することです。
当期純利益は下記図に示すように、「その企業が全ての支払いを済ませた後の最終的な利益」を指します。
出典:Money Forward クラウド会計 https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/44789/
当期純利益が増えている場合は、配当金の源泉が増えている状態で増配しているため、
健全な財務体質である優良企業であると言えます。
下記の様に、伊藤忠商事は当期純利益も右肩上がりで増えているため、健全な増配をしていると思います。
伊藤忠商事の当期純利益推移(2015-2025)
出典:マネックス証券
一方で、当期純利益が増えていないのにも関わらず連続増配している企業もありますが、
株価が下がりやすい傾向にあるため、私の投資先候補からは外しています。
こういった企業は、一見連続増配なので配当金が増えて良いのではないかと思いますが、
配当金の源泉である当期純利益が増えていないので、過去に蓄えた利益から無理をして配当金を支払っている状態と言えます。
例としては4452 花王が挙げられます。
花王は、言わずとれた連続増配企業(なんと34年連続増配で連続増配期間の長さでは日本一)ですが、当期純利益は安定感がありません。
花王の年間配当金推移(2013年-2025年)
出典:マネックス証券
花王の当期純利益推移(2015-2025)
出典:マネックス証券
そのため、下記の様に株価チャートも下がる傾向にあります。
伊藤忠商事の株価チャート推移(2015年-2025年)
出典:マネックス証券
このような企業は、個人的には投資先としてお勧めしていません。
いくら毎年配当が増えていようと、株価がずっと下落していくのはなかなかきついものです。
そのため、私の投資スタイルとしては、増配しているのは最低条件として、
その配当金の源泉である当期純利益もしっかりと伸びているかまでみて決め、
インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙って投資しています。
配当金の源泉である当期純利益がしっかりと増えているか確認しよう
「年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資」のおすすめポイント3選
ポイント①:高配当銘柄ではなく増配銘柄を買う(「配当株投資=高配当株を買う」という意識を捨てる)
前述したように、著者がお勧めしている配当株投資の基本は、この先増配を期待できそうな企業を見つけて株を取得することです。
しかし、すでに配当株投資を始めている人の中には、「配当株投資は高配当を買えば良い」と決めつけている人が多くいる様です。
成長している かつ 高配当の企業であればなんら問題はありませんが、いくら高配当だったとしても減配すれば株価も下がってしまうことが多いため、減配と株価下落のダブルパンチを喰らうことになります。
よく見かける「高配当利回りランキング」には要注意で、鵜呑みにしてはいけません。
配当利回りは、配当金額 ÷ 株価で計算されるので、
下記のように、株価が下がれば配当利回りは上がり、株価が上がれば配当利回りは下がります。





高配当利回りランキングから選ぶと、株価が下がったことで高配当になっている「罠銘柄」に引っかかりやすくなるね。
現時点では高配当ではない企業でも、しっかりと利益が伸び続けている企業であれば、配当金は自ずと上がっていきます。
目先の配当利回りに惑わされず、しっかりと利益を出している企業か、増配しているかと判断軸に投資先を選定することをお勧めします。
ポイント②:投資先判断基準の軸はEPS(1株当たり利益)で
伊藤忠商事のEPS(一株当たり利益)
https://www.buffett-code.com/company/8001/
配当株投資を手堅く進めるためには「1株当たり利益」(EPS)を判断基準にするのが良いです。
「1株当たり利益」は「当期純利益」÷「発行済株価総数」で求めることができ、1株の稼ぐチカラを表しているといえます。
当期純利益とは、その企業が全ての支払いを済ませた後の最終的な利益を指します。
なぜ営業利益(本業で稼いだ利益)や経常利益(全体の儲けから経費などを差し引いた利益)ではなく、
「当期純利益」で計算するかというと当期純利益が株主への配当の原資となっているからです。
実際に著者の配当太郎さんは下記の様に述べています。
企業の稼ぐチカラが上がれば、それが数字となって現れます。
稼ぐ力が落ちてくれば、それを素早く見抜くこともできます。
その企業に、「どのくらいの稼ぐチカラがあるか?」が判断できるのです。
クロスメディア・パブリッシング 配当太郎著 年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資
私は個人投資家が信じるに値するような基準は、「1株当たり利益」だけではないかと思っています。
まず、何から手をつけていいわからない方は、EPSが右肩上がりに伸びているか?を判断軸に
投資先候補を検討してみても良いと思います。
ポイント③:著者が注目する具体的なおすすめ銘柄が紹介されている
本書には、配当株投資の王道銘柄や優良銘柄の「選び方」だけでなく、著者が注目する具体的な「15銘柄」も紹介されています。
これは配当金の傾向だけではなく、業界に関する見解も含めてさまざまな観点から分析を加えたもので、他にもさまざまな具体的分析が詰まっています。
今回例に挙げた伊藤忠商事も、著者がおすすめする増配銘柄の1つで、このような優良銘柄があと14銘柄も紹介されています。
配当株投資を始めてみたい方や配当株初心者の方は、まず本書に載っている15銘柄を買ってみるところからスタートするのも良いかもしれません。



うまくいっている人の真似をするのは大事なことだね!
まとめ:増配銘柄を買ってコツコツと配当金を増やしていこう!



今回の記事では、以下の2点について解説しました。
- これから配当株投資をしたい人にこの本を読んで欲しい理由
- 「年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資」のおすすめポイント3選
これから配当株投資をしたい人にこの本を読んで欲しい理由
この本は、配当株投資に関する考え方(配当株投資=高配当株)をガラッと変えてくれます。
「増配」を存分に知ることができ、配当金を着実に増やすことができます。
配当株投資で生活を少しでも豊かにしていきたい人には、特にオススメできる本です。



いわば、配当株投資で成功するための教科書です!
「年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資」のおすすめポイント3選
- 高配当銘柄ではなく増配銘柄を買う(「配当株投資=高配当株を買う」という意識を捨てる)
- 投資先判断基準の軸はEPS(1株当たり利益)で
- 著者が注目する具体的なおすすめ銘柄が紹介されている
「年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資」はとても読みやすい本なので、投資関連の専門用語を知らない人でも配当株投資について理解することができる良書です。
また、著者の配当太郎さんは、配当株投資で成果を得るための戦略だけではなく、自分の軸を持ち明確な目標を設定することの重要性についても言及しています。
その目標は、「1ヶ月1万円」でも、「年間100万円」でもいいと思います。
大事なことは、漠然と「もう少し小遣いを増やしたい」と考えるのではなく、「1ヶ月3万円の小遣いを増やしたい」など、明確に目標を定めるという点にあります。
明確な目標を設定すれば、それを達成するために「自分はどうすればいいのか?」を冷静に考えることができます。
・・・(中略)・・・
自分の軸を持って、明確な目標に向かって突き進む……。
配当株投資の成否は、この1点にかかっていると思います。
・・・(中略)・・・
明確な目標を持って、自分の軸をブラさずに、最低でも10年間はひたすら株を買い進めていくことが、配当株投資のすべてだと思います。
クロスメディア・パブリッシング 配当太郎著 年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資



私の目標は、2025年中に月1万円(年間12万円の配当)です!
現在は、本書の内容を地道に実践し月4,000円(年間4万8千円)のところまで来ました。


まずは月1万円まではガンガンにアクセルを踏み続けたいと思います。
配当株投資で少しでも生活を楽にしていきたい人、増配の魅力を知りたい人は、ぜひ本書を読んでみてください。
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